なんで先生によって言うことが全然違うの?

なんで先生によって言うことが全然違うの?

岩崎です。

西東京市、クワイアシンガーのためボイストレーニングスタジオ「ゴスペルボイスラ」より、

日刊ゴスペル発声「日ゴス」第252号、お送りします。

よく聞かれるのですが、「なんで先生によって発声って言うことが違うの?」と。

ひとつは、まず、喉頭科学というのは、解剖学的/生理学的にも、音響学的にもいまだに謎が残っている,,,こと大きいでしょう。

声帯の閉鎖運動ひとつをとっても、「閉鎖筋群の自発的活動が大事だ」とするのか、「いいや呼吸によってベルヌーイ力でやはり閉鎖を生んでいるのだ」など、対立する意見が現代に至るまで研究者の間で対立しているのです。(現在ではベルヌーイ力が大事だとするのが主流のようです。Hussonの閉鎖運動への神経信号に関する意見に挑戦しようと、多くの科学者が証明するために研究に励んだのです《sundberg》)

それから、「発声学説史」の体系を見てみると、その教師がどの時代のロジックを好んでいるのか、もしくは混合しているのかが見えてきます。

リードが作成した発声学説史

20世紀最高の発声指導者の一人、コーネリウスリードは、

17世紀−18世紀を、

「母音形成、声区分離/確立/融合」に時間をかけた時代とし、

19世紀ー20世紀

「呼吸、共鳴、発声配置」に時間をかけた時代としています。

(Cornelius L Reod/BEL CANTO principles and practices)

19世紀後半より始まった「科学の時代」は、科学者と、医療従事者たちが発声学の分野に進出しはじめた時代です。

医師たちによって「声の健康」が叫ばれかつ、「声帯を真っ向に歌に使うには、声帯はもろすぎる」とし、「呼吸の大事さ」を訴えました。カーティス博士や、レシュケがそれにあたるでしょう。

そのほか、ランペルティなどによって発声配置、または共鳴指導などが広がりました。(音響学的、もしくは解剖学裏付けをしたものから、デタラメなものまで。)

発声学説史をみると、ようは「発声指導の混乱」

「ボイストレーニング方法」と検索してみくてください。

「呼吸、共鳴、ミックスボイス、ミドルボイス、ミドルレジスター、チェストボイス、鼻腔共鳴、腹式呼吸、頭に響かせるetc」

学説史に照らし合わせてみれば、17−18の発声指導だったり、19−20の発声指導方法だったりが、ようぐちゃぐちゃに混合しているわけです。

どちらがいいか?と明言するのはここでは避けておきますが、

注意してほしいことがひとつあります。

19世紀以降の「科学」によってもたらされた発声指導には、本当にデタラメも多い、ということです。

例えば、鼻腔共鳴。きっと「かっこいい言葉」だな、「プロっぽいな」のような印象をお持ちかもしれません。

ですが、すでに「鼻腔は共鳴器」としては役に立たない、と証明されています。

「腹式呼吸ってやっぱり大事なんだろうな」

「共鳴ってやっぱり大事なんだろうな」

大事かもしれません。ただ、少し、疑ってください。

本当に今、世は発声指導の大混乱の中にあるのです。

ボイストレーニングスクールによっては教師すらその意味を理解していなかったり、

もしくはすでに「ありえない」と科学者によって証明されたメソッドを、さも「百年前から受け継がれている科学的練習法だ」と紹介している教師も多いのですから。

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