内喉頭の三層構造…混乱の多い器官

内喉頭の三層構造

内喉頭、つまり喉の中。ここには三層の構造があります。

声帯、仮声帯(かせいたい)、喉頭蓋(こうとうがい)です。

声帯はもちろんご存知かと思いますが、もう2つの器官があまり耳馴染みがないかもしれませんね。少しご説明いたします。

 

仮声帯(かせいたい)…呼気を強めた時などに、声帯のサポートをする器官と言われています。医学的には「なぜ存在するか」が未だにコンセンサスがとれていないそうです。

 

喉頭蓋(こうとうがい),,,嚥下の際、気管を閉鎖する「ふた」の役目をします。閉じることによって、誤嚥を防いでくれます。

 

肺から送られてくる息に対して、一番下に位置する声帯はベースとなるオリジナルの音を作ってくれます。これを喉頭原音(こうとうげんおん)と呼びます。

これが、咽頭(いんとう)や、口腔、そして鼻腔などの共鳴腔で共鳴され、声にエネルギーを持つのですが、実は、そこに行き着く前に、内喉頭の三層構造で、すでに様々な声のパターンを生み出すことができます。

 

仮声帯(かせいたい)発声

 

例えば、仮声帯(かせいたい)ですが、仮声帯(かせいたい)が内転することで、声はノイズがかった音色になります。ギターでいうディストーションのような響きを帯びることができます。

デスボイス界隈のシンガーたちがフォールスコードスクリーム、という言葉をよく使いますが、フォールスコードとはつまり仮声帯(かせいたい)のことを指しています。仮声帯(かせいたい)を使うことで、ヘルシーにノイズを生むことができます。また、トゥバ共和国などで歌われる唱法「カルグラ」などもこの仮声帯(かせいたい)が関与していると考えられています。

※仮声帯(かせいたい)発声とは通常「病名」として用いられる言葉ですが、ここではポジティブな意味合いで捉えています。

 

 

喉頭蓋(こうとうがい)の役割

喉頭蓋(こうとうがい)は嚥下の際に倒れ、誤嚥を防いでくれますが、これも自在にコントロールすることが可能です。喉頭蓋(こうとうがい)と、披裂(ひれつ)軟骨という軟骨が接近した発声を英語圏では「トゥワング」と言いますが、トゥワングによって、高次倍音を生み出すことができます。10-15dbの音量を稼げるという意見もあります。

 

高次倍音とはまた難しい言葉ですが、つまり、「抜けのいい声」に声を変化させることができるのです。

ジャンルにもよるのですが、地声である程度の音量を稼ぐ場合、このトゥワングが非常に役に立ちます。抜けのいい声になるばかりでなく、息漏れをふせぎ、また音程を保つ役割や、スムーズな音程の移行を助けてくれます。

また、トゥワング自体は1〜100までの段階を生み出すことができます。つまり、パっと聴いても関与しているとは思えない「隠れたトゥワング」を作ることが可能です。ですから、あなたの歌唱ジャンルに、必要なだけのトゥワングを作っていけばよいと、考えています。

 

混乱の多い3器官

内喉頭筋はこの3つの器官により、様々な音色を生み出すことが出来ます。声帯のコントロールだけではなく、仮声帯(かせいたい)、喉頭蓋(こうとうがい)の操作性を高めていくことが重要だと考えます。しかしながら、部位がそれぞれ近い上、また目で確認することもできない器官です。それゆえ、操作性を高めていくことが非常に難しいのです。ゆっくりと丁寧に、独立させて動かしていくトレーニングが必要です。

 

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