「足上げ腹筋発声」で声が出てしまう理由

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「足上げ腹筋発声」で声が出てしまう理由

 

私は合唱部で歌を歌っていたので、「古典的な発声練習」にも挑戦したことがあります。部活動の中でやったのは、

 

1床に寝転ぶ

2お腹に手を置く

3足を上げる

4声を出す、「はっはっはー」

 

という、いわゆる「足上げ腹筋発声」です。

それで、なんとなくみんな、声が出てしまいます。強い地声があっさり達成されます。それで皆「ああやっぱり腹筋は大事だな」と思うものです。

しかしながら、足上げをやめて、立ち上がって声を出しても、あまり感覚がつかめず、再現性がなかったりします。そしてもっと腹筋を強めてしまいがちです。「もっと力を入れなきゃ」と。過度な力みグセがついて、最悪、喉を痛めてしまいます。

足上げを腹筋をやるとき、注目すべきは収縮しているのは腹筋だけでない、という点です。腹部、胸部、頸部、それぞれの筋肉が収縮し、互いに支え合います。頭部まで安定されると、そこから喉の筋肉は始まるわけですから、とりあえずのところは仕事がしやすくなると考えます。

 

じゃあ、いいじゃないか、と思いそうですが、それでもやはり問題は残ります。要するに、あちこちの筋肉が協働(きょうどう)しているから発声がうまくいくのに、それを腹筋だけ取り上げて「やはり腹筋だ」と言ってしまうこと。これは大きな誤解を学習者に与えてしまいます。

もう一点は、「どれだけ収縮させるか」のレベル分けを学習者に与えられないこと。足を上げさせた時点で、収縮する筋肉はどこもフル活動します。実際の歌唱では、微調整を行なっていかなくてはならない分けですから、実践では機能しないでしょう。

 

さらに、呼気時だけでなく、吸気時まで腹部の強い収縮を伴うこと。これも足上げ腹筋発声練習のデメリットです。吸気時に腹部の収縮が強く残ったままでは呼吸効率が著しく悪化するでしょう。

 

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