声区(せいく)について捉え直しています。

岩崎です。最近の指導方針について、お話ししたいと思います。実は「声区」について考え直しているのです。

●声区についてのお話し

まず、声区、について。声区とは何か、の話をしなくてはいけません。声区とはよく議論の的になる語彙なのですが、確かに定義が難しい。まず、前提として、声区とは「声のメカニズム」でしかありません。ここが重要です。例えば、「ミックスボイス」。これは声区ではありません。なぜか?ミックスボイスとは、「胸声区(きょうせいく)」と「頭声区(とうせいく)」によって生み出される音声パターンの1種にすぎないからです。

声区は基本的に2種に分かれます。これは胸声区(きょうせいく)と頭声区(とうせいく)。平たく言えば裏声と地声です。この2種のみが声区として扱うことができます。声区とは、前述したように「メカニズム」。つまり、その声独自の構造がない限り、声区としては認めることができないのです。胸声区を生み出すには、声帯本体そのものが胸声区(きょうせいく)を生み出すための機関として機能します。頭声区(とうせいく)の場合は、声帯を薄く保つための筋群が機関として機能します。

ですが、ミックスボイスは違います。ミックスボイスはミックスボイスを出すための独自の機関が発見されていないからです。あくまで、胸声区(きょうせいく)と頭声区(とうせいく)のグラデーションによって生まれる音声パターンなのです。ですから、ミックスボイスは声区としては認めることができないのです。

ミックスボイスをもし声区として認めるのであれば、もうこれは大変です。例えば、

「ミックスボイスより少し薄めの声、、、そうだなあ、これは僕はライトミックスボイスって呼ぶよ。だから、僕の声区は全部で4種類。君は?ヘビーミックスボイスも入れて5種類か!なるほどね」

,,,,などという会話が生まれてしまいます。これらのライトミックスボイスだとか、ヘビーミックスボイスだとかは、これはもう「お前のさじ加減だろ」ということなのです。これらを声区として認めるのであれば、もはや声区という語彙の存在価値がないのです。

声区について、もう少しお話ししたいことがあります。また次回に書きましょう。

声の指導はやっぱり面白いです。やはり「声区」について立ち返るのが一番シンプルでいいなあと思ったり。

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