これは、解剖学的に考えれば、本当にごく、普通なことなのですが、あまりボイストレーニングの世界だと知られていないかもしれません。
声帯も、筋肉です。「声帯筋(せいたいきん)」なんていうわかりやすい名前がついていますね。
これは喉を真上から見た様子ですね。真ん中のクチビルのようなものを声帯です。
では、タイトルに対する答えなのですが、ー筋肉は「拮抗相手」を見つけると元気になるーこれが答えです。
拮抗、とは釣り合う相手、のことです。腕に力こぶを作ってみてください。その筋肉を緩めるなら、力こぶの反対側の腕の裏の筋肉に仕事をさせなくてはなりません。つまりこれが拮抗関係です。
で、拮抗相手、なのですが、これは実はものすごく数が多いのです。前の記事でも書きましたが、体は連携プレーができるので、ふとももから腰を引っ張って、腰から呼吸筋と背中を引っ張って、そこから肩と首をひっぱって,,,とすると、最終的に声帯まで到達します。
もうどうやっても引っ張ることができます。笑 ものすごく大それたことを書いてしまえば、声帯の拮抗相手は、体全体ということも可能です。
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また、このことはトレーニングという考えでも良いのですが、私自身は、「声帯が拮抗相手を見つけると、あとは勝手にコミュニケーションを取り出す」と思っています。それは、重力があるからです。体に重力がかかるので、結局、何もせずとも、体はバランスとりを始めます。その中に声帯が組み込まれているので、「拮抗相手を見つけるトレーニング」さえ最初にしてしまえば、あとは自動的に声がよくなっていく,,,,
ちょっと書きすぎましたが、まあこれは理想論に近いです。ですが、ある程度この理論通りに現象が進むのならば、「20回シリーズのボイストレーニング」のようなものができるかもしれません。それはシンプルに、拮抗相手を目覚めさせるセッションです。そこが岩崎の研究のゴールだと思っています。