テンセグラルに考えるとは

「発声をテンセグラルに考える」という言葉の意味を考えてみましょう。テンセグラル=張力で成り立つ構造体をイメージしながら,,,といった感じですが、具体的には、まずこの3つ。

1,筋をどれか一つだけ取り出して理論展開してはならない

2.いずれかの筋に注目したら、その筋の反対のベクトルを想定すること

3,圧縮体を制御するときは必ず「足場=アンカー」を想定すること

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まず、1。

一つだけ取り出して理論展開してもうまくいきません。例えば「輪状甲状筋(りんじょうこうじょうきん)を鍛えればうまくいく」というのはこの10年間の考え方ですが、ピンポイントに一つの筋肉を取り出して考えるのはテンセグラルとは言えません。

理由は、2と3。2は輪状甲状筋(りんじょうこうじょうきん)に着目するなら、甲状披裂筋(こうじょうひれつきん)という筋肉にも注目しよう、ということになります。

でも、それでも足りません。

3。輪状甲状筋(りんじょうこうじょうきん)によって圧縮体を制御することができる「かも」しれません。圧縮体は、この場合は甲状軟骨や、輪状軟骨です。さて、甲状軟骨が動くのでしたっけ、輪状軟骨が動くのでしたっけ。

答えは、まだ出ていません。科学の世界だとどちらにも支持者がいるようです。ただ、これは「どちらもありうる」というのがこの記事においての見解になります。つまり、甲状軟骨が足場=アンカーになるのであれば、輪状甲状筋(りんじょうこうじょうきん)によって輪状軟骨が動きます。その逆も然りです。では、どうしたら甲状軟骨が足場になるのでしょうか。いくつかやり方はありそうですが、舌骨の位置を舌骨筋群によってホールドさせてみるのです。舌骨の位置がホールドされれば、ある程度甲状軟骨の位置も制限がかかります。よって、甲状軟骨がアンカー状態になり、輪状甲状筋によって輪状軟骨がやっと我々の意思によって制御され始める,,,そう考えるのです。

ひだりのチーム、みぎのチーム。もしみぎチームが綱引きにおいてより「強い」のであれば、綱という筋肉によって、ひだりチームが制御されます。綱引き、は少しだけイメージしやすいかもしれませんね。

 

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