発声構造のコア

なんだかこのところtwitterで随分フォロワーが増えました。非常にニッチなことを、それも非常に孤独に、発信していたものですが、それでも興味を持っていただけるというのは本当にありがたいことです。

自分がやりたいことをやっているだけなのに、興味を持ってもらえるだなんて、こんなに幸せなことはないではありませんか。

さて、発声構造のコア。についてです。

運動指導者がよく「コア」という言葉を用います。コアという言葉で説明してしまうことに違和感を感じる人もいるようなのですが、まあそれは置いておいて。腹圧を形成するシステムのことだと私は理解しています。

発声器のコアとはいったいなんなのだろうとよく思っていたものですが、これは「舌」なのかもしれないなと、思えてきました。

舌につかまる構造があまりに多いのです。もちろん舌もまた頚椎を軸として仕事をするわけなのですが、(舌は上顎骨、茎状突起=側頭骨に起始するわけですから)そのことも十分に理解しつつ、あえてここでは舌をコアだと言っています。

舌を軸とするならば、舌から舌骨が吊り下げられ、そこから喉頭が掴まります。「咽頭空間が大事だ」と仰る人もいらっしゃるでしょう。ああ、本当に勉強されている方なのだなと思います。僕もその通りだと思います。ですが、咽頭収縮筋は舌骨、喉頭にも停止します。つまり舌という軸が安定しない限り、むしろ逆効果になるかもしれません。舌という軸を失ったそれぞれのパーツは全てにおいて逆効果をもたらします。これが重大な思考です。

ある人には効いたあのエクササイズが、なぜある人には悪影響をもたらすのか、ということです。軸があるかないのか、という点で全く結果が変わってしまうのものです。

さて、これまでいろんなものに注目してきました。そして意見を変えてきました。いいや、この1年は意見自体は変わっていません。結局のところはテンセグリティ的な思考ですから、どこを切り取って話しているのか、に過ぎません。また、そのように変わって見えるのか、は「それでも声を変えてあげることができなかった生徒がいた」という事実に起因するものです。

声が良くなっていく生徒 / クライアントがいると嬉しいものです。ですが、同時に、必ず声が変わらずにレッスンを終えていく人もいます。(あらゆる指導者はこの点において嘘をつくべきではないと信じています)彼らのおかげで、と言ってはなんですが、「なぜだったのだろう」が終わりません。なぜ?は研究の原動力です。大事にしなくてはなりません。


 

 

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